皮膚科

小児に多い皮膚のトラブル

お子様の皮膚は角層が薄く、また皮脂の分泌量が不安定なことから皮膚のバリア機能が安定していません。そのため、些細なことで湿疹や皮膚炎が生じたり、細菌やウィルスに感染したりするなど、皮膚トラブルが生じやすい特徴をもっています。

 

しっかりとお話をうかがい、診察した上で一人ひとりに合った適切な診療を行います。ご自宅でのスキンケア法についても丁寧にアドバイスいたします。

野村医院 小児に多い皮膚トラブル

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、皮膚に紅斑(赤み)、丘疹(ブツブツ)、落せつ(皮膚がカサカサしてむける)などの痒みのある湿疹が混在して良くなったり悪くな ったり、慢性的にくりかえす状態です。

 

症状

症状は、顔、首、手足の関節、体幹など、体の様々な部分にあらわれます。年代によりあらわれる部位や症状に一定の傾向があります。

 

[乳幼児期]

生後2~6ヵ月頃から顔や首、頭の露出部分に赤くじゅくじゅくとした湿疹があらわれ、かゆみで引っかき傷ができやすくなります。体幹や四肢は乾燥して鳥肌様になります。

 

[小児期]

皮膚全体が乾燥して、首、わき、ひじやひざの裏などに湿疹があらわれることが多いです。関節の屈曲部に湿疹が広がり、湿疹を繰り返し引っかくことで、皮膚がゴワゴワと厚くなる状態(苔癬化)になったりします。耳たぶに亀裂をみとめることも多いです。

治療

症状に合わせて

①スキンケア(皮膚の清潔と保湿)

②薬物療法(外用剤の塗布、痒みに対する内服薬など)

③環境整備(寝具の清潔を保つ、適切な温度湿度を保つなど)

などを組み合わせて治療を行います。

正しい治療を行うことで症状をコントロールして、湿疹ができにくい状態を目指します。

 

乳児湿疹

乳児期に、皮脂腺の多い頭や額、擦れる部分を中心に黄色いフケやポツポツとした赤い発疹がでる疾患です。赤ちゃんは生後1ヶ月頃から皮脂の分泌が亢進してきますが、この頃から乳児湿疹は発症し始め、頬、額、耳の周辺などに赤いブツブツができてきます。その後6ヶ月頃から次第に消えていくことが多いです。

乳児アトピー性皮膚炎との鑑別が困難な場合もあり、経過を見て判断することになります。

症状に気づいたら、まずは皮膚科を受診しましょう。

 

治療

適切な洗顔、洗髪が大切です。

弱めのステロイド外用薬を使用することもあります。

 

おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)

尿や便に含まれるアンモニアや酵素などによって皮膚が刺激され、おむつの当たるところに赤いブツブツやただれが生じます。

 

治療

おむつはまめに交換し、おしりふきでこすりすぎないようにしましょう。

症状がひどい時は、弱いステロイド軟膏を塗ることもあります。

野村医院 おむつかぶれ
 

あせも(汗疹)

あせも(汗疹)とは、暑くて汗をたくさんかいた後に、皮膚に細かい水ぶくれやブツブツがあらわれる皮膚疾患です。汗をかきやすい夏に多く、汗腺の密度の高い小児に発症しやすい疾患です。

赤い丘疹ができてかゆみが強く湿疹化することもあります。

 

治療

ご自宅でのスキンケア方法をお伝えします。

症状に応じてステロイド外用薬などを用います。

 

乾燥肌(皮脂欠乏症)

皮膚表面の皮脂が不足することによって肌の水分量が保てなくなり、皮膚のバリア機能が損なわれてしまった状態です。特に乳幼児や子どもでは皮脂量が少ないので、頬や腕、膝やすねなどが乾燥して、皮膚がかさついて粉をふいたようになり、痒みなどが生じがちです。

 

治療

初期の段階では肌の乾燥や痒みが生じる程度ですが、子どもは痒みを我慢できずに掻き壊してしまうこともよくあります。この掻き壊しによる炎症がもとで湿疹になることもありますので、早めに外用薬で治療します。

 

水いぼ(伝染性軟属腫)

水いぼは、正式には伝染性軟属腫と言い、伝染性軟属腫ウィルスによる皮膚感染症です。

幼少児によく見られ、痒みを伴うこともあります。

特に乾燥肌やアトピー性皮膚炎のあるお子様に多くみられます。乾燥肌やアトピー性皮膚炎があると、痒みで引っ掻くことにより、まわりにうつってしまうためです。

 

治療

専用のピンセットで一つずつ摘まみ、内容物を出す方法が一般的です。

ただし、痛みを伴いますので、痛みを軽くする目的で麻酔のテープを用いて摘除します。

 

ウイルス性のいぼ(尋常性疣贅)

「ヒトパピローマウイルス(HPV)」と呼ばれるウイルスの感染によって、手や足の裏にできるいぼ(尋常性疣贅)です。

小児に多くみられ、足底や足指にできやすいです。

水いぼ(伝染性軟属腫)」は、原因となるウイルスも症状も異なる別の病気で、治療法も異なります。

 

治療

いぼの治療には、液体窒素による冷凍凝固法が行われます。

 

とびひ

とびひは、怪我や虫刺され、あせもを掻いてできた小さな傷から細菌が入り込み、感染することで発症します。

とびひには、水ぶくれが主体となる水疱性膿痂疹と、膿疱や黄褐色のかさぶたができる痂皮(かひ)性膿痂疹の2種類があります。

 

とびひの種類

[水疱性膿痂疹]

皮膚にできた水ぶくれが次第に大きくなり、やがて破れると皮膚がめくれてただれます。

痒みがあり、そこを掻いた手でほかの場所を触ると、あちこちに広がってしまいます。

とびひの多くはこのタイプで、主な原因は黄色ブドウ球菌です。

 

[痂皮性膿痂疹]

皮膚の一部に膿をもった水ぶくれ(膿疱)が生じ、厚いかさぶたになります。

炎症が強く、リンパ節が腫れたり、発熱やのどの痛みを伴ったりすることもあります。

主に化膿レンサ球菌が原因となりますが、黄色ブドウ球菌も同時に感染しているケースが少なくありません。

治療

とびひの治療は、まずは石鹸を使ってしっかり洗うことが大切です。その上で主に抗菌薬の飲み薬や外用薬を使い治療します。必要に応じて抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服や痒みや炎症を抑える外用薬を使用します。

とびひは、ひどくならないうちに治療を始めると、より早く治せます。

 

手足口病

コクサッキーウイルスやエンテロウイルスによる感染症です。

夏に流行することが多いです。

幼児や小児によくみられる疾患ですが、大人でもかかります。

 

症状

手のひらや足の裏に小さな水疱や丘疹(ぶつぶつ)が現れます。

口の中にも水疱などが現れます。

発熱する場合もあります。

口腔内の痛みによって、飲水困難になることもあります。

 

治療

手足口病に特効薬はなく、特別な治療法はありません。

経過観察をしながら、症状に応じた治療を行います。